広角レンズの宿命の歪曲収差
外観・内観などの建築撮影において特に気になるのが歪曲収差だ。
特に内観などでは狭い場所での撮影が多いため、レンズも必然的に超広角レンズを使う機会が増え、そして、広角レンズを使えば宿命ともいうべき歪曲収差の問題にぶちあ当たる。
歪曲収差って何?って人がここを読んでいるとも思えませんが、レンズの特性上、作画(写真)の周辺部の線が歪んでしまう状態のことを言う。
建物の内観撮影では、柱や壁のラインなどが写真に写ることが多いため、その線が歪むために歪曲収差が目立ってしまうことになる。
個人の好みがあると言っても、こと伝統的に建築写真では、水平垂直がきっちろ取れており、歪曲収差も無い(目立たない)写真が、基本の写真とされている。
ソフトウエアによる後処理で歪曲収差を除去
かっては、歪曲収差の少ないレンズを手に入れることでこの問題を解決しようという考えが基本にありましたが、現在ではソフトウエアやカメラの自動レンズ補正機能の進化により、この歪曲収差問題はかなり改善されてきています。
DPPやPhotoshop LRなど主要な現像ソフトにはこのレンズ補正機能が付いてます。今回は私がよく使っているPhotohsopによる歪曲補正の例を掲載していみます。
Photoshopのフィルタ レンズ補正による歪曲補正
上記写真をサンプルとて考えます。
5D Mark3 +SIGMA 12-24mm F4.5-5.6Ⅱによる12mmでの撮影です。
12mmと言えば超広角です。歪曲収差としてはましな方だとは思いますが、右側の柱の上下が内側に曲がっていて、本来真っ直ぐな柱が歪んで見えます。
※ひょっとするとカメラのレンズ補正が多少は効いている写真かもしれません。
PhotoshopCSのフィルタメニューから【レンズ補正】を選びます。
レンズプロファイルでは、1Ds Mark3とSIGMAの12-24mmで自動補正が適用されました(自動)。カメラが間違っていますが、ほぼこれが適正と判断されたのかもしれません。
自動適用の補正では、また歪みが気になったので、補正タブを【自動補正】→【カスタム】に切り替え手動(マニュアル)で補正します。
補正タブ内の上の方にある「ゆがみ補正」を「0」→「+2」にしてみたらちょうどいい感じになりました。
逆に垂直が少しズレている感じになりましたが、これも気になるなら補正タブの下の方にある【変形】の「垂直方向の遠近補正」で多少は補正できます。もちろんPhotoshopの通常の【変形】で調整しても構いません。
以上が歪曲補正の一例です。やり方はほんとにいくらでもあるので自分が気に入った方法を詰めていくのが一番ですね。
なお、私は時々、歪曲がより少なくなるであろう超広角の単焦点、CanonならEF12mm F2.8とかが無性に買いたくなるのですが・・・、補正できるしなぁ・・ということで何度も思いとどまっています。まあ、それが正解かどうかはわかりませんけどね(*´ω`*)。
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